塗装の20年保証は本当に守られる?保証書を読むときのチェックポイント

「他社は20年保証って言ってたんですが、御社は何年ですか?」

これは、商談でよく聞かれる質問です。

長い保証がついていれば、お客様としては安心です。気持ちはすごくよくわかります。

ただ、長い保証年数って、聞こえはいいんですが、よく考えるとちょっと不思議な仕組みなんです。

そもそも、塗料そのものの性能には限界があります。それを超えるような長い年数の保証って、誰がどうやって守るのかな、と気になりませんか?

しかも、塗装の保証は塗料メーカーが出すものではなく、施工した会社が出すものです。

ということは、その会社が20年後に存続していないと、保証そのものが意味を持たなくなってしまいます。

⚠️ まずはここから|塗装の保証 早見表

詳しい解説に入る前に、塗装の保証で実際に気をつけたいポイントを早見表にまとめました。まずは全体像を掴んでから読み進めてください。

気になるポイント現場のリアル確認したいこと
「20年保証」と言われた塗料ではなく会社の保証会社が20年存続する根拠
「他社より長いから安心」会社が消えれば紙切れその会社の経営年数・規模
「保証書がもらえなかった」口頭保証は危険書面の保証書を必ずもらう
「保証あるって言われたのに対応してくれない」10人に1人くらいが相談保証の対象範囲・条件
「会社が倒産していた」泣き寝入りになりやすい第三者の工事保証の有無

💡 結論|保証は「年数」ではなく「会社」と「内容」で見る

先に結論をお伝えします。

塗装の保証で大事なのは、年数ではありません。

その会社が、保証期間中ちゃんと存続しているか。そして、保証の中身がどこまで対応してくれるか。この2つです。

車を買うときや家電を買うときって、メーカーの倒産をあまり気にしないと思います。大手メーカーなら、まずなくならないからです。(なくなるときもあるけど・・・)

でも、塗装業界はそこがちょっと違うんです。

ただ、安心してください。ちゃんと仕組みを知って、見極めるポイントを押さえれば、後悔のない選択はできます。

なぜ年数だけで判断すると危ないのか、そしてどう見極めればいいのか、ここから順にお伝えします。

📖 20年保証が危ない理由|製品保証と工事保証のちがい

「20年保証」と聞くと、長くて安心に感じます。でも、保証の仕組みを知ると、ちょっと気になるところが出てきます。

まず、塗装の保証には、大きく分けて2種類あります。

製品保証:塗料メーカーが、塗料そのものに不具合があった場合に対応してくれる保証
工事保証:施工した会社が、剥がれや施工不良に対して対応してくれる保証

「20年保証」と書いてあるものの多くは、塗料メーカーが出す保証ではなく、施工した会社が出す工事保証のことになります。

ここで、塗料そのものの耐候年数を見てみます。

シリコンで10〜13年、フッ素で15〜20年、無機で25〜30年。これは塗料メーカーが研究して出している数字です。

つまり、塗料そのもので20年もつ商品って、無機塗料を使ったとして、ようやく届くくらいの年数なんです。

それなのに「うちは20年保証です」と言い切れる会社って、よく考えると不思議じゃないですか?

「20年保証」というのは、

・塗料が20年もちます、という意味ではなく
その会社が、20年間うちが対応します、と言っている

ということになります。

ここで気になるのは、じゃあその会社、20年後も存続していますか?という話です。

🏢 塗装業界の10年生存率を知っていますか?

日本の中小企業のデータで見ると、塗装業の会社が10年後も存続している確率は、ざっくり20〜35%前後と言われています。

参考までに、日本の一般的な会社の生存率はこんな感じです。

経過年数生存率の目安
1年後70〜80%
5年後40〜50%
10年後20〜30%

塗装業は参入障壁が低く、独立しやすい業界です。個人事業でも始められますし、価格競争も激しいです。元請けに依存している会社も多いので、長期生存率は平均より少し厳しめです。

つまり、20年保証を出している会社のうち、20年後も存続している会社はかなり限られる、ということになります。

もちろん、長く続いている会社もあります。地域密着でリピートと紹介が回っていたり、自社職人を抱えていたり、資金管理がしっかりしている会社は、むしろ長く強い業界でもあります。

だからこそ、保証を出す会社を見るときは、年数よりも、その会社が今までどれくらい経営してきたのか、従業員数はどれくらいか、自社施工か下請けかといった情報をしっかり調べることが大切になってきます。

このネット社会、会社の情報は調べればある程度わかります。長い保証を出している会社ほど、しっかりと調べてから判断したほうがいいです。

💔 「保証があると言われたのに、対応してもらえなかった」という相談

これは、商談の中でよく聞く話です。

体感ですが、1割弱のお客様から、過去に塗装した会社の保証について「対応してもらえなかった」という相談や経験談を聞きます。

1割弱って、数字だけ見ると少なく感じるかもしれません。でも、これって10人に1人くらいのお客様が、保証で困った経験をしている、ということです。

塗装は人生で何度もする買い物ではありません。それなのに10人に1人が困っているとなると、決して他人事ではないと思います。

多いパターンは、こんな感じです。

・連絡してもつながらない
・対応するけど条件をつけて結局やってくれない
・会社自体がなくなっていた

こうなると、ほぼ泣き寝入りです。

保証書が手元にあっても、出す側の会社がなければ、紙の意味がなくなってしまいます。

だから、契約前に「この会社、もし倒産したら保証はどうなるのか」というところまで聞いておいたほうがいいです。

そこで言葉が濁る会社は、少し気をつけたほうがいいと思います。

📋 保証内容は会社によって全然違う

もうひとつ大事なのが、保証の中身です。

「10年保証」「20年保証」と言葉だけ見ると同じに見えるんですが、中身は会社によって違います。

たとえば、こんな違いがあります。

項目内容の差
保証の対象外壁だけ/屋根も含む/付帯部は対象外、など
保証の範囲剥がれだけ/変色・膨れ・チョーキングまで含む、など
免責条件地震・台風は対象外、経年劣化は対象外、など
無償範囲完全無償/一部負担あり/作業費のみ無償、など
定期点検毎年あり/途中で来ない/こちらから連絡が必要

同じ「10年保証」でも、中身が違うと、いざというときに対応してもらえる範囲が変わってきます。

だから、契約前に保証書のサンプルを見せてもらって、「これは何が含まれていて、何が含まれていないんですか?」と聞いてみてください。

ちゃんと説明できる会社は、保証に対して誠実に向き合っていると思います。

🏠 現場のリアル|「他社は20年保証と言ってたんですが」・・・

商談でこの質問をされるたびに、私はいつも同じ答え方をしています。

「うちは10年保証です」

正直に答えると、お客様は最初、ちょっと意外そうな顔をされます。「あれ、他社より短いの?」という感じですね。

でも、そのあとに、こうお伝えしています。

塗料の耐候年数のこと。20年保証は工事保証で、会社が存続している前提で成り立つこと。塗装業界の生存率のこと。

そして、もうひとつ大事な仕組みをお伝えします。それが、W工事保証という仕組みです。

この話までお伝えすると、お客様の反応はガラッと変わります。

「あぁ、たしかに20年保証の会社、よく考えると不思議だね」

「年数より、ちゃんとした仕組みのほうが安心だね」

そう言ってくださることがほとんどです。

✅ 契約前に確認しておきたい5つのこと

塗装の保証で後悔しないために、契約前にこの5つは聞いておくと安心です。

1. 保証年数は何年で、その根拠は何ですか?
2. 保証書は書面でもらえますか?
3. 保証の対象範囲と免責条件を教えてください。
4. もし会社が倒産した場合、保証はどうなりますか?
5. 定期点検はありますか?頻度はどれくらいですか?

ここにちゃんと答えてくれる会社は、保証を「数字の大きさ」ではなく「中身」で考えている会社です。

逆に、「20年もちますよ、安心してください」だけで終わる会社は、少し気になるところです。

🛡️ 安心して任せられる仕組み|W工事保証という選択肢

ここまで読んで、「結局、どこの会社も信用できないってこと…?」と感じた方もいるかもしれません。

でも、そんなことはありません。

塗装業界(一部)には、こうした不安を仕組みで解決する方法があります。それが、W工事保証です。

W工事保証は、施工した会社だけでなく、第三者の機関もセットで保証してくれる仕組みです。

万が一、施工した会社が倒産してしまっても、第三者機関が保証を引き継いでくれるので、お客様の手元に残った保証書がそのまま意味を持ち続けます。

つまり、

・会社の存続に依存しない
・第三者の目が入るので、対応の透明性も高い
・万が一のときも、ちゃんと守られる

こういう仕組みです。

長い年数の保証を出す会社よりも、こうした仕組みでお客様を守ろうとしている会社のほうが、結果的に安心できると思います。

W工事保証の仕組みや、どんな会社が対応しているのか、選び方のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉ダブル保証が塗装で「最強」と呼ばれる理由

📝 まとめ

塗装の保証は、年数の長さで選ぶものではないと思います。

大事なのは、その会社が保証期間中ちゃんと存続しているかどうか、そして保証の中身がどこまで対応してくれるかです。

塗装業界の10年生存率は、決して高くありません。

20年保証と書いてあっても、20年後にその会社がなければ、保証は紙切れになってしまいます。

だからこそ、保証年数の大きさよりも、会社の経営年数、規模、保証内容、保証体制、そしてW工事保証のような第三者の仕組みがあるかどうかを見て判断したほうがいいです。

「長ければ安心」ではなく、「ちゃんと守れる仕組みかどうか」。ここを見ていただけたら、後悔のない選択につながると思います。

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