塗装の20年保証は本当に守られる?保証書を読むときのチェックポイント

塗装はとても高い買い物なので、「保証」を気にされる方はかなり多いです。長い保証が付いていれば安心できますし、それだけで業者を選ぶ理由になりますよね。

ただ落とし穴があって、長い保証年数が付いていればいいというわけではありません。保証にもいろんなからくりがあったり、よく考えると不思議な仕組みだったり、確認すべきポイントがいくつもあります。

そもそも塗装の保証は塗料メーカーが出すものではなくて、施工した会社が出すのが基本です。つまりその会社が潰れてしまったら、保証そのものがなくなってしまいます。これが今とても問題になっていて、この記事では保証の仕組みや見極め方について詳しくお伝えしていきます。

塗装の保証 早見表

気になるポイント現場のリアル確認したいこと
「20年保証」と言われた塗料ではなく会社の保証会社が20年存続する根拠
「他社より長いから安心」会社が消えれば紙切れその会社の経営年数・規模
「保証書がもらえなかった」口頭保証は危険書面の保証書を必ずもらう
「保証あるって言われたのに対応してくれない」10人に1人くらいが相談保証の対象範囲・条件
「会社が倒産していた」泣き寝入りになりやすい第三者の工事保証の有無

保証は「年数」ではなく「会社」と「内容」で見る

塗装の保証で大事なのは年数ではなくて、その会社が保証期間中ちゃんと存続しているかどうかと、保証の中身がどこまで対応してくれるか、この2つです。

車を買うときや家電を買うときってメーカーの倒産をあまり気にしないと思います。大手メーカーならまずなくならないからです。でも塗装業界はそこが少し違っていて、規模が小さい会社が多い分、10年後・20年後に同じ会社が存在しているかどうかは本当に分からないです。

ただ、仕組みを知って見極めるポイントを押さえれば後悔のない選択はできるので、ここから順にお伝えしていきます。

20年保証が危ない理由

塗装の保証には大きく分けて2種類あります。

「製品保証」:塗料メーカーが塗料そのものの不具合に対応する保証
「工事保証」:施工した会社が剥がれや施工不良に対応する保証

「20年保証」と書いてあるものの多くは塗料メーカーの保証ではなく、施工した会社が出す工事保証です。

ここで塗料そのものの耐候年数を見ると、シリコンで10〜13年、フッ素で15〜20年、無機で25〜30年で、これは塗料メーカーが研究して出している数字です。つまり塗料そのもので20年もつ商品は無機塗料を使ってようやく届くくらいの年数なのですが、それなのに「うちは20年保証です」と言い切れる会社って、よく考えると不思議ではないでしょうか。

「20年保証」というのは塗料が20年もちますという意味ではなく、その会社が「20年間うちが対応します」と言っているということになります。

じゃあその会社、20年後も存続していますか?というのが次の話です。

塗装業界の10年生存率

経過年数生存率の目安
1年後70〜80%
5年後40〜50%
10年後20〜30%

塗装業は参入障壁が低くて個人事業でも始められますし、価格競争も激しく元請けに依存している会社も多いので、長期生存率は平均より少し厳しめです。つまり20年保証を出している会社のうち、20年後も存続している会社はかなり限られるということになります。

もちろん長く続いている会社もあって、地域密着でリピートと紹介が回っていたり、自社職人を抱えていたり、資金管理がしっかりしている会社はむしろ長く強い業界でもあります。だからこそ保証を出す会社を見るときは、年数よりもその会社が今までどれくらい経営してきたのか、従業員数はどれくらいか、自社施工か下請けかといった情報を調べることが大切です。

保証があるのに対応してもらえなかった

体感ですが1割弱のお客様から過去に塗装した会社の保証について「対応してもらえなかった」という相談や経験談を聞きます。

1割弱という数字だけ見ると少なく感じるかもしれませんが、10人に1人くらいのお客様が保証で困った経験をしているということで、塗装は人生で何度もする買い物ではないことを考えると決して他人事ではありません。

多いパターンはこんな感じです。
・連絡してもつながらない
・対応するけど条件をつけて結局やってくれない
・会社自体がなくなっていた

こうなるとほぼ泣き寝入りです。保証書が手元にあっても出す側の会社がなければ紙の意味がなくなってしまうので、契約前に「この会社、もし倒産したら保証はどうなるのか」というところまで聞いておいた方がいいです。

私が実際に担当したお客様でも、前に塗装した業者の保証が8年残っている状態で剥がれが出てきて電話をしたら番号が使われていなかった、というケースがありました。結局その補修費用はそのお客様が自分で負担することになってしまっていて、保証書だけでは意味がないということを強く感じた経験です。

保証内容は会社によって全然違う

「10年保証」「20年保証」と言葉だけ見ると同じに見えるのですが、中身は会社によってかなり違います。

項目内容の差
保証の対象外壁だけ/屋根も含む/付帯部は対象外、など
保証の範囲剥がれだけ/変色・膨れ・チョーキングまで含む、など
免責条件地震・台風は対象外、経年劣化は対象外、など
無償範囲完全無償/一部負担あり/作業費のみ無償、など
定期点検毎年あり/途中で来ない/こちらから連絡が必要

同じ「10年保証」でも中身が違うといざという時に対応してもらえる範囲が変わってくるので、契約前に保証書のサンプルを見せてもらって「これは何が含まれていて何が含まれていないですか?」と聞いてみてください。ちゃんと説明できる会社は保証に対して誠実に向き合っていると思います。

契約前に確認しておきたい5つのこと

保証で後悔しないために、契約前にこの5つは聞いておいてください。

・「保証年数は何年で、その根拠は何ですか?」
・「保証書は書面でもらえますか?」
・「保証の対象範囲と免責条件を教えてください」
・「もし会社が倒産した場合、保証はどうなりますか?」
・「定期点検はありますか?頻度はどれくらいですか?」

ここにちゃんと答えてくれる会社は、保証を「数字の大きさ」ではなく「中身」で考えている会社だといえます

逆に「20年もちますよ、安心してください」だけで終わる会社は少し気になります。

W工事保証という選択肢

「結局どこの会社も信用できないってこと?」と思われたかもしれませんが、そんなことはありません。塗装業界には、こうした不安を仕組みで解決する方法があって、それがW工事保証です。

W工事保証は施工した会社だけでなく第三者の機関もセットで保証してくれる仕組みで、万が一施工した会社が倒産してしまっても第三者機関が保証を引き継いでくれるので、お客様の手元に残った保証書がそのまま意味を持ち続けます。

つまり会社の存続に依存しないですし、第三者の目が入るので対応の透明性も高く、万が一のときもちゃんと守られるということです。

長い年数の保証を出す会社よりも、こうした仕組みでお客様を守ろうとしている会社の方が結果的に安心できると私は思っています。

W工事保証の仕組みや選び方のポイントについてはこちらの記事で詳しく書いています
👉ダブル保証が塗装で「最強」と呼ばれる理由

塗装の保証は年数の長さで選ぶものではなくて、大事なのはその会社が保証期間中ちゃんと存続しているかどうかと、保証の中身がどこまで対応してくれるかです。

塗装業界の10年生存率は決して高くないので、20年保証と書いてあっても20年後にその会社がなければ保証は紙切れになってしまいます。

保証年数の大きさよりも、会社の経営年数、規模、保証内容、保証体制、そしてW工事保証のような第三者の仕組みがあるかどうか。ここを見て判断してください。

📚 関連記事

コメント