
頻繁ではないですが、他社の見積もりをお客様と一緒に確認している時に、付帯部塗装が入っていないことがあります。
付帯部が省かれている理由のひとつとして、見積もりを安く見せたいというのがあります。
塗らなくても今すぐ家が壊れるわけではありませんが、外壁と屋根が20年もつ塗装をしても付帯部だけが先に劣化して、また足場を組むことになる。これが長い目で見た時にとてももったいないんです。
この記事では、付帯部とはどこのことなのか、なぜ見積書から省かれるのか、塗らないとどうなるのかをお伝えしていきます。
付帯部 早見表
| 部位 | 役割 | 塗らないとどうなる |
|---|---|---|
| 雨樋 | 雨水を流す | 色褪せ・割れ・サビ |
| 軒天 | 屋根の裏側 | 汚れ・カビ・ひび割れ |
| 破風板 | 屋根の側面 | 劣化・剥がれ・サビ |
| 鼻隠し | 軒先の横板 | 劣化・剥がれ・サビ |
| 水切り | 基礎と外壁の境目 | サビ |
| その他 | 雨戸・戸袋・庇・ベランダ床等 | 各部位ごとに劣化 |
付帯部ってどこのこと?

付帯部というのは、家にくっついている外壁と屋根以外の部分すべてのことを指します。
雨樋、軒天、破風板、鼻隠し、水切り、雨戸、戸袋、庇、ベランダ・・・こういった場所が含まれます。家ごとに種類も数も違うので、「うちの家にはどれがあるのか」を契約前に営業さんと一緒に確認しておくと安心です。
なぜ見積書から省かれるのか
商談で見てきた感覚で言うと、一番多い理由は見積もりを安く見せたいからです。
外壁と屋根だけの見積もりにしておけば合計金額は当然安く出ます。相見積もりを取った時にその会社が一番安く見えるので、比較で選ばれやすくなるわけです。
もうひとつ、私のお客様で実際にあった話なのですが、工事が始まってから「付帯部も塗らないといけませんね」と言われて追加で請求されたケースがありました。もう工事が始まっていて足場も組んである。途中で止めるわけにもいかないし、塗らないわけにもいかない。お客様の立場としては払うしかなかったそうです。
雨樋|地味だけど一番目立つ場所

雨樋は、屋根の雨水を集めて地面へ流す部分です。
役割としては地味ですが、実は家の外観ではかなり目につく場所でもあります。
外壁や屋根がきれいでも、雨樋だけ色褪せていたり傷んでいたりすると、全体が古く見えてしまいます。逆に、雨樋までしっかり塗装されていると、家全体の印象がかなり締まります。
雨樋の素材は、塩ビ製のものもあれば金属製のものもあります。
・塩ビ製は、紫外線を長年浴びることで硬くなり、ひび割れしやすくなります。
・金属製は、サビが進むと穴が開いたり、継ぎ目から水漏れすることがあります。
塗装は見た目だけでなく、こうした劣化から雨樋を守る役割もあります。
軒天|ひび割れもセットで補修

軒天は、家を見上げた時に見える、屋根の裏側の部分です。普段あまり気にしない場所なんですが、実は湿気がこもりやすくて、カビや汚れが出やすいんです。
現場でも、軒天を塗る時はひび割れ補修を一緒にやること機会は多く、割れたまま塗ってしまうと、一旦見た目は綺麗になりますが、再発のリスクが非常に高いです。
あと、軒天にシミがある場合は少し注意です。
「なんか黒ずんでるな」くらいでも、実は雨漏りが原因だった、ということもあります。
👇塗装中写真と施工後の軒天

破風・鼻隠し|屋根の端っこの板

破風と鼻隠しは、どちらも屋根の端っこにある板のことです。
・破風板:屋根の側面、三角の屋根の斜めになっている部分の板
・鼻隠し(唐草):屋根の正面、雨樋がついている横の板
どちらも風雨を直接受ける場所なので年数が経つと色褪せたり、塗膜が傷んできたりします。
細かい部分なのでローラーではなく刷毛で丁寧に塗っていきます。
こちらは別現場の破風・鼻隠し塗装中の写真です。

付帯部を塗らないとどうなる?
「塗らないと今すぐ家が壊れる」という話ではありません。
ただ、付帯部を塗らないままでいると、外壁と屋根が20年もつ塗装をしても付帯部だけそこからどんどん劣化していきます。10年後・15年後に「付帯部だけ直したい」となった時、そのためだけにまた足場を組むことになります。
足場代は塗装工事の中でもかなり大きい金額で、付帯部の補修費用より足場代の方が高くつくこともよくあります。
なので外壁と屋根を塗る時に付帯部も一緒に塗っておくことをお伝えしています。
もちろんご予算の都合で「今回は付帯部を見送る」という選択をされるお客様もいます。その時はリスクをしっかりお伝えした上で、納得して決めてもらうようにしています。おすすめはしませんが、選択肢としてはアリ、というのが私のスタンスです。
費用感
私の地域の感覚ですが、破風板・鼻隠し・軒天・水切りで20〜30万円くらいです。付帯部の数が多かったり面積が広い家だとそこからさらに上がります。
金額だけ見ると「結構するな」と感じるかもしれません。ただ後から付帯部だけのために足場を組み直すことを考えると、外壁・屋根と一緒にやってしまった方が長い目で見てかなりお得です。
契約前に確認したい3つ
付帯部のトラブルを避けるために、契約前に聞いておきたいことは次の3つです。
① 見積書に付帯部の項目があるか
② どの部位が含まれて、どの部位が含まれていないか
③ 含まれていない部位があれば、塗らないことのリスクはどうか

付帯部が見積もりから外される一番の理由は、単純に金額を安く見せやすいからです。
今すぐ壊れるような場所ではありません。
ただ、外壁や屋根だけ高耐候塗料で仕上げても、付帯部だけ先に傷んできては、後々大きな痛手になるはずです。
そうなると、数年後に付帯部のためだけに、もう一回足場を組むことになります。
外壁や屋根をやるタイミングで一緒に塗っておくのが、一番効率がいいことが多いです。
見積書を見る時も、合計金額だけじゃなく、付帯部がどこまで入っているかは大事なポイントです。


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