
「補助金・助成金で安くリフォームできる」「外壁塗装が30万円〜50万円お得」、最近こういう広告を見かけることが増えていて、実際にこの情報をきっかけにお問い合わせをいただくことも多くなりました。
塗装は安い買い物ではないので、使える制度があるなら使いたいですよね。
ただ、この助成金は必ず使えば得になるというわけではなくて、条件を満たすためにもともと選びたかったプランを変えなければならず、結果として高くついてしまうこともあります。
ちゃんと中身を理解して使えば十分に得をする制度でもあるので、この記事では助成金の相場や調べ方、使うと損になるパターン、そしてうまく使いこなすコツまでお伝えしていきます。
助成金は結局いくらもらえる?
多くの方が一番知りたい部分だと思います。
自治体の外壁塗装助成金の相場は10万円前後で、多くても20万〜30万円程度です。
一般的な戸建て(30坪程度)の外壁塗装にかかる費用が100万〜150万円前後なので、仮に助成金が10万円出たとすると工事費120万円から10万円引いて実質負担は110万円、というイメージです。
自分の地域に助成金があるか調べる方法
調べ方は大きく3つあります。
① 市区町村の公式ホームページで検索
一番確実なのはお住まいの自治体の公式サイトで「塗装 助成金」「住宅リフォーム 補助」と検索することで、多くの自治体が制度情報を掲載しています。
② 自治体の窓口に直接問い合わせる
「住宅課」「建築指導課」「環境政策課」などの窓口に電話で聞くのが確実で、ホームページに載っていない細かい条件まで教えてもらえます。
③ 全国の制度を横断検索できるサイトを使う
「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」では、全国の制度をまとめて調べることができます。
業者に聞くよりもまず自分で自治体情報を確認してから相談する方が話がスムーズです。業者によっては地域の制度をすべて把握できているわけではないので、自分で一次情報を持っていると判断がぶれません。
助成金を過信してはいけない3つの理由
助成金は使えれば得ですが、あることを前提に工事の計画を立てるのは危険です。
理由1:毎年あるとは限らない
自治体は国よりも財政基盤が小さいため、前年度はあった制度が今年度は廃止になっていることもあります。
理由2:予算上限があり、早い者勝ち
補助金は総額の予算が決まっていて枠がいっぱいになると受付終了です。年度の前半で予算が終了することも珍しくなくて、「申請しようとしたらもう終わっていた」というケースもあります。
理由3:工事着工前の申請が必須
ここが一番のつまずきポイントです。 多くの自治体では工事着工前の申請が条件になっていて、契約して工事が始まった後から助成金の存在を知った、というタイミングではもう間に合いません。
助成金を「使う」と「得する」は別の話
ここからがこの記事で一番お伝えしたい部分です。助成金が出る=安くなると思いがちですが、現場ではそうならないケースが実際にあります。
一番多いのが「助成金の条件を満たすために、もともと検討していたプランを変えなければならない」というパターンです。
自治体の典型的な条件は「省エネ目的の工事」
助成金の多くは省エネ目的の工事が条件になっていて、具体的には遮熱塗料や断熱塗料を使うことが前提になります。ところがお客様が最初に選ばれるのはリーズナブルなプランであることが多くて、そこに遮熱・断熱機能のついた塗料は含まれていないことがほとんどです。つまり助成金を使うためにはもともと検討していなかった高いプランに変更しなければならない、ということになります。
遮熱塗料の効果についても
遮熱塗料は「家の中を涼しくするための塗料」と紹介されることが多いのですが、本来の目的は少し違います。遮熱の本当の役割は金属屋根などが太陽光で熱を持たないように表面で熱を反射させることで、家の中の温度を直接下げる塗料ではありません。
これからその家にどれくらい長く住むのか、屋根や外壁の素材は何か、ライフプランと出せる費用のバランス、こういったところまで含めて考えないと「助成金が出るから遮熱にしよう」だけで判断するのはもったいないです。
「助成金で実質タダ」のウソ
業界の中には助成金を「契約を急がせるための道具」として使う業者が存在します。
手口1:「今なら助成金が使えますよ」と契約を急がせる
「今月中に契約すれば助成金が間に合います」「予算が終わりそうなので今決めた方がいいです」、こういうセールストークで比較検討の時間を奪うパターンです。
手口2:「助成金で実質タダになる」と誤認させる
はっきり言ってほぼ嘘です。助成金の金額は多くても10万〜30万円程度なので、工事費がタダになることはありえません。「実質無料」「助成金で全額カバー」などの文言が出てきたらその時点で警戒してください。
手口3:助成金を見積もりに上乗せする
助成金が出ることを前提に見積金額を最初から高く設定しておき、助成金分を「値引き」として見せる手口もあります。他社の適正価格と並べると大差ないか、むしろ高くなっていることもあります。
対策
・必ず2〜3社で相見積もりを取る
・助成金の情報は自分でも自治体に直接確認する
・契約を急がせる業者はその時点で候補から外す。
この3つを守るだけでかなり防げます。
助成金をうまく味方にするための3つのコツ
注意点を中心にお伝えしてきましたが、もちろんうまく使えば十分にお得な制度です。うまく使いこなしている方の共通点を3つお伝えします。
① 「使えたらラッキー」で動く
うまく使いこなしている方は助成金を「絶対に使いたい」とは考えていません。基本のプランで満足できるかをまず決めてから「もしその工事内容で助成金が使えるなら申請してみよう」という順番で動いています。判断軸が「工事の中身」にあるので業者の煽りに振り回されません。
②自治体への確認を業者の見積もりより先に済ませる
まず自分で自治体のホームページか窓口で制度を確認している方は話がスムーズです。業者にも「対象工事と申請期限はこうでした」と先に共有できるので、お互いに認識のズレがなくなります。
③遮熱・断熱塗料の効果を理解した上で選ぶ
「助成金が出るから」だけで遮熱塗料を選ぶのではなく、屋根材・住み続ける年数・予算とのバランスで判断している方は結果として満足度が高いです。

塗装の助成金・補助金は国ではなく自治体ごとの制度で、あるかないかは住む場所によります。受け取れる金額は多くても10万〜30万円程度で、工事費を大きく安くするものではありません。
対象になるのは主に遮熱・断熱塗料を使った省エネ工事で、美観目的の塗装は対象外が多いです。そして申請は工事着工前が条件なのでまず自治体の情報を確認することが先決です。
助成金は「使えればラッキー」くらいの位置づけで、まず工事の中身を正しく選ぶこと。これが結果的に一番損をしない考え方です。
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