塗装工事の流れ全8工程 契約後に何をされるのか現場目線で全部見せます

塗装工事を契約したあと、実際に自分の家で何が行われるのか、具体的に知っている方は少ないと思います。

100万円以上かかる工事なのに中で何をされているのか分からないまま進んでいくのは不安ですし、私自身、商談の時にお客様から「塗装って結局何日で何をするの?」と聞かれることはとても多いです。

塗装工事は全部で8つの工程に分かれていて、それぞれの工程に「ここを省くと数年で剥がれる」という大事なポイントがあります。

私の会社では工事前にこの8工程を1つずつお客様に説明するようにしていて、それだけでも「何をされているか分かるから安心できる」と言っていただけることが多いです。

この記事では全8工程と、各工程で私が現場で実際に見てきた「手を抜かれやすいポイント」をお伝えしていきます。

全8工程 早見表

工程内容目安日数重要度
① 足場の設置安全に作業するための土台1日★★★
② 高圧洗浄古い塗膜・コケ・油分を洗い流す1日+乾燥1日★★★★★
③ 下地補修ひび割れ・サビなどを修復1〜2日★★★★★
④ 養生塗らない部分をビニールで保護半日〜1日★★★
⑤ 下塗り外壁と塗料の接着剤の役割1日★★★★
⑥ 中塗り選んだ色の1回目。厚みを作る1日★★★★
⑦ 上塗り仕上げの3回目。耐候性を発揮1日★★★★
⑧ 足場解体・清掃最終チェックと片付け1日★★★

全工程合わせて、一般的な戸建てで10日〜14日程度が目安です。
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塗装工事の全8工程

① 足場の設置(1日)

足場はただの踏み台ではなくて、職人が正しい姿勢で丁寧に塗るために不可欠なもので、足場がグラついていると2階の外壁や軒天などの高い位置の塗装がどうしても雑になります。

足場と一緒に飛散防止のメッシュシートも張られるので、塗料や水しぶきがご近所に飛ばないようにする役割もあります。

私が職人時代、応援で入った現場でしたが、足場の間隔が広すぎて手を伸ばして塗っている状態でした。当然ですが細かい部分の仕上がりに差が出ました。足場業者によってクオリティに差があるので、依頼する塗装会社がどの足場業者を使っているかも確認しておきたいポイントです。

② 高圧洗浄(1日+乾燥1日)

高圧洗浄で手を抜くと、どんな高級塗料を塗っても数年で剥がれます。

古い塗膜やコケ、目に見えない油分を業務用の高圧洗浄機で1日かけて丸洗いする工程で、洗浄直後は外壁がびしょ濡れの状態になります。

私はここで必ず翌日を休みにしていて、表面が乾いて見えてもサイディングのジョイント部分やひび割れの奥に水分が残っているからです。

実際に、以前お客様から「前の業者は洗浄後にもう塗り始めていた」と聞いたことがあって、屋根に上がってみると案の定、塗膜がブワブワと浮いて膨れている箇所がいくつもありました。焦って塗ると数年後に必ずこうなります。

③ 下地補修(1〜2日)

塗装の寿命を決める、一番地味で一番重要な工程です。ひび割れ(クラック)をシーリング材やエポキシ樹脂で埋めたり、鉄部のサビをケレンで落としたり、サイディングの浮きをビスで打ち直して固定したりします。

見積書には「下地補修一式」と書かれていることが多いのですが、実際にどこをどう補修するのかは業者によって全然違います。

私の会社では現場調査の時点で「ここのクラックはVカットして充填します」「この浮きはビス2本で固定します」と具体的にお伝えしていて、そこまで説明する業者はあまりいないようで驚かれることが多いです。

④ 養生(ようじょう)(半日〜1日)

窓やサッシ周り、玄関ドア、エアコンの室外機、植木など塗装しない部分をビニールとマスキングテープで覆う工程です。

養生が丁寧な職人は、塗装の仕上がりも丁寧です。

養生の境界線がまっすぐきれいに出ている現場と、テープが曲がっている現場では仕上がりの美しさが全然違います。

お客様から「窓が開けられなくて息苦しい」と相談されるのがこの工程で、私は事前に「この2〜3日間だけは窓の開閉ができなくなりますが、エアコンの室外機はメッシュカバーで通気を確保するので冷暖房は使えます」と具体的にお伝えしています。

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⑤ 下塗り(1日)

外壁材と新しい塗料をくっつける接着剤のような役割で、真っ白や透明の塗料を使って下地を固めます。

下塗り材は外壁の状態によって使い分けていて、たとえば築20年以上でチョーキングがひどい外壁なら「浸透型シーラー」を使って素材の奥まで染み込ませ、比較的状態が良いサイディングなら「密着型のサーフェーサー」を使って微細なひび割れを埋めながら中塗りとの接着を高めます。

この使い分けができる業者かどうかで塗装の持ちが変わるので、「下塗りは何を使いますか?」と聞いてみてください。

⑥ 中塗り(1日)

選んだ色の塗料が初めて登場する工程で、ここでしっかりとした厚みを作ります。

中塗りは上塗りと同じ塗料を使うのが基本で、「2回も同じ色を塗るの?」と思われるかもしれませんが、2回重ねることで塗膜の厚みが安定してメーカーが保証するカタログ通りの耐候性が発揮されます。

1回塗りで済ませるとムラができて塗膜が薄い部分から先に傷み始めるので、中塗り・上塗りの2回重ねはどうしても必要です。

⑦ 上塗り(1日)

仕上げの3回目で、中塗りの上にもう1回同じ塗料を重ねることでカタログ通りの耐候性が発揮されます。

「中塗りと上塗りが同じ色だから、ちゃんと2回塗ったか分からない」というお客様の不安は多くて、私の会社では中塗りと上塗りでわずかに色味を変えて塗るか、各工程ごとに撮影した写真を完工ファイルとしてお渡しすることで「ちゃんと塗った証拠」を残すようにしています。
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⑧ 足場解体・清掃(1日)

最後にお客様と一緒に建物の周りを歩いて「塗り残しがないか」「色ムラがないか」の最終チェックを行い、問題がなければ足場を解体して清掃します。

足場解体時には大きな金属音が出るのでご近所への事前挨拶と時間調整が必要で、ここまで含めて工事完了です。

流れを知っておくべき2つの理由

理由①:手抜き工事に気づける

流れを知っていると「あれ?高圧洗浄の翌日にもう塗ってる」「下地補修、見た感じ何もしてないけど…」といった違和感に気づけるようになります。

実際に私が担当したお客様で、他社で塗装したあと3年で剥がれてきたというご相談をいただいたケースでは、完工写真を見ると高圧洗浄の翌日に下塗りが始まっていて、乾燥時間を取っていないことが写真の日付から分かりました。

理由②:インターバル(塗り重ね乾燥時間)が塗装の寿命を決める

塗料にはメーカーが指定した「次の工程までに空けるべき時間」が厳密に決まっていて、たとえば日本ペイントのパーフェクトトップであれば「中塗り→上塗りの間隔は3時間以上(23℃時)」と規定されています。

一番怖いのは下塗り・中塗り・上塗りを1日で全部終わらせてしまう業者で、一見きれいに見えますが中が乾いていない状態で塗り重ねると数年後に必ず膨れや剥がれが起きます。

私の会社では完工ファイルをお渡しする際に各工程の施工日と撮影時間を記録した写真を提出していて、乾燥時間をきちんと取ったことが分かるようにしています。

完工ファイルとは:施工の作業内容を写真でまとめたもので、施工日・使用塗料・缶数が分かる形で提出します。保証書もこの中に含んでお渡ししています。

塗装工事の流れでよくある3つの失敗

失敗①:高圧洗浄の翌日にすぐ塗装を始める

下地が完全に乾いていない状態で塗ると水分が塗膜の下に閉じ込められてしまい、夏場に熱で水蒸気化して膨れの原因になります。

洗浄後は最低でも24時間、梅雨時期や日当たりの悪い北面ならそれ以上空けているかを確認してください。

失敗②:1日のうちに3回塗り(下・中・上)を終わらせる

乾燥時間を無視した手抜き工事の典型例で、外注に安く丸投げしている業者で起きやすいです。

各工程のあとに乾燥時間を設けているかどうかは、「工事は何日予定ですか?」と聞くだけでもある程度判断できます。たとえば外壁と屋根を合わせて3日で終わると言われたら、乾燥時間を取っていない可能性がかなり高いです。
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失敗③:雨の日や強風の日に無理やり作業を進める

塗料メーカーの規定では湿度85%以上、気温5℃以下では塗装してはいけないとされています。

天候による中止の判断基準を契約前に確認しておいてください。

良い業者を見抜く質問

「雨で工事が延びた場合、追加料金は発生しますか?」

この質問に「工期は絶対守るので安心してください」と答える業者は要注意です。品質を守るために工期が延びることはあって当然なので、「品質のために延びる可能性がありますが追加費用はいただきません」と言い切れる業者は工程を守る意識がしっかりあります。
👉 実例から見る塗装業者の選び方

塗装工事の全8工程: 足場→高圧洗浄→下地補修→養生→下塗り→中塗り→上塗り→足場解体・清掃

この中でも塗る前の準備(高圧洗浄・下地補修・養生)が工事の品質の8割を決めます。

どんなに良い塗料を使っても、下地の準備が雑なら数年で剥がれます。

工事中に「あれ?」と思ったら遠慮なく質問してください。流れを知っているお客様ほど、業者も手を抜きにくくなります。

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